相続において ・・・ 嫁には冷たい民法の規定 ・・・
A子さんは、被相続人X子さんの一人息子であったB夫さんと、20歳代で結婚しました。
結婚するとき、A子さん夫妻は、義母となるX子さんの子供がB夫さん一人のみであり、かつ、
X子さんは夫Y男さんと離別していたので、X子さんと同居することとしました。
しかし、A子さん夫妻は、二人の子供を設けましたが、B夫さんを30歳代半ばで不慮の事故に
より亡くしてしまいました。そこで、A子さんは、義母X子さんが50歳代半ばでもあり、健康
であったので、義母X子さんに子供二人の面倒を見てもらいながら家族を養っていくため仕事を
続けることとしました。
やがて、A子さんの子供二人も成人し、それぞれ都会で独立する頃には、A子さんも定年を
迎える年齢となり、今度は、義母A子さんが若いときの無理がもとで入退院を繰り返すように
なってきました。
そして、A子さんは、義母であるX子さんを長年にわたり一生懸命に看病をしてきましたが、
義母X子さんは残念ながら帰らざる人となってしまいました。
このケースでは、民法の規定によれば、被相続人X子さんの財産を相続する権利は、X子さんの
孫(A子さんの子供)二人となり、住む家もA子さんの子供二人の所有となってしまいます。
このように、民法の規定では「嫁」には、相続する規定がないため義母を一生懸命に看護したと
しても冷たい(?)扱いとなってしまいます。
義母X子さんが、嫁ではあるがA子さん宛に、遺産の一部を遺贈(相続ではないが、贈与)する旨の
「遺言書」を残しておけば、看病してくれた労苦に報いることができたのではないでしょうか?